近視管理用メガネについて
近視進行のメカニズムの一つに周辺部網膜における像の遠視性デフォーカスというものがあります(難しいお話なので詳細は割愛します)。これを眼鏡で改善することで、近視進行抑制を頑張ろうという仕組みの眼鏡です。オルソケラトロジーも同様の仕組みで近視進行を抑えています。もちろん眼鏡なので近視や乱視の矯正も同時に行われます。
2025年9月に、Essilor社のStellest眼鏡というのがアメリカのFDAから認可されました。眼鏡のレンズの中央に直径9mmの透明な部分(ここでまっすぐ物を見る)があり、そこを取り囲むようにレンズレットと呼ばれる小さな突起が並んでいる構造になります。このレンズレットによって遠視性デフォーカスが改善するというものです。海外では2020年ころからこのような眼鏡が使用されるようになりました。
対象年齢は6~12歳で、近視進行を最大で71%抑制、眼軸長伸長も53%減少させたと報告されており、眼鏡の装用になるのでコンタクトレンズ特有の合併症などはなく、低リスクで治療が可能という優れものです。
2026年6月より、日本でも2種類の近視管理用メガネ(MiYO SMART、Stellest)が処方できるようになりました。特にHOYA社のMiYO SMART眼鏡が多くの眼鏡店で取り扱いがあります。当院でもこれらの眼鏡処方が可能となりました。


治療のメリットとデメリット
メリットとして、一番は安全性が挙げられます。なにより「普段から眼鏡をかけるだけ」ですので、他の治療と比べても簡単で安全と言えます。そうした点から脱落率(途中でやめてしまう確率)が低いことも特徴的です。また近視管理用メガネでの治療は、途中で中止してもリバウンドがほぼ認められなかった点も大きいです。他の近視抑制治療と組み合わせて行うことも可能です。
デメリットとしては、これらのメガネのレンズ構造が非常に特徴的で、中心の”見たい”ところで見る必要があります。レンズは中心から外側に向かって特殊な加工がされており、レンズの周辺部(加工されている部分)を通して物を見ようとすると、見えづらさを感じることがあります。球技など動体視力を要するスポーツをしている場合は注意が必要です。同時に眼鏡のフィッティングもとても大切で、レンズ中心と瞳孔の位置合わせが効果に直結します。装用時間も最低でも1日10時間以上は眼鏡をかけて過ごす必要があります。また治療効果が眼の屈折度数変化や顔の成長などに非常に影響を受けやすいため、年に1度以上はメガネの新調が必要になる可能性が高い点もデメリットでしょうか。後述しますがレンズ代もまずまず高額なため、費用もそれなりにかかると考えられます。
治療適応について
対象は5歳から18歳前後、屈折度数が-0.5D以上の近視の方で、普段からメガネをかけて過ごすことができるお子様です。多くのお子様が適応になります。
治療手順
まず一般外来で散瞳薬(調節麻痺薬)を使用した検査が必要です。この検査には2時間程度かかることがあります。検査によって正確な眼の屈折度数を調べたら、後日に眼鏡あわせに来院いただき、眼鏡処方箋を発行します。「近視管理用メガネ(MiYO SMARTやStellest)希望」と記載された処方箋を眼鏡店に持参いただき、作成してもらいます。
当院では、眼鏡を受け取られてから約2週間後くらいに受診していただき、眼鏡のチェックなどを含め確認、その後は近視管理(視力や屈折・眼軸長測定)を定期的に行います。
治療費用
散瞳薬を使用した検査や、眼鏡の処方については、一般的な保険診療で行います。
その後、近視管理プログラムで定期的に検査を行いますが、こちらが自費になります。
1年間の管理プログラム料金 16,500円(税込)ほか
この費用は眼鏡受け取り後の2週間後検診の際にお支払いいただきます。
【メガネ費用の目安(お店でお支払い)】
レンズ料金 MiYO SMARTの場合 77,000円(税込) ※フレーム費用は別です
年に1度以上はメガネの新規更新が必要になる可能性があります。